佐藤重機建設の使命
大地に杭を打ちこむ。深く圧入する。
すると、それは強力な「壁」となり「支え」となり、
土や水を制し、まちと生命を守るのだ。
佐藤重機建設は鋼矢板・鋼管杭施工のスペシャリストとして、新潟はもとより全国、アジアで、インフラ整備や災害復旧に努めてきました。人々の目には見えないところで「安全」を守り、「未来」をつくる、その仕事の全貌とは?
地盤の中から人々の安全を守る
【1】構造物を支える
【2】土を留める
【3】水をせき止める
地盤深く打ち込まれる「杭」-現在では鋼矢板や鋼管杭など―には、大きく分けて3つの役割があります。
第一は、建築物や橋梁、道路、鉄道など地上にある「構造物を支える」こと。建築時だけでなく、構造物の補修時に機能の再生、耐震補強を目的として用いられることもあります。
第二は、地滑りや土砂崩れ、液状化による地盤沈下などを防ぐために「土を留める」こと。また、斜面や盛り土に対して自立する壁を築いて空間を確保する、地下にスペースを作るといった土地の有効利用にも活用できます。
第三は、防波堤・防潮堤・河川堤防などで「水を留める」こと。減災・防災のための施工はもちろん、堤防の決壊や港湾の破損など災害時の緊急施工も可能です。また、農業用水路や河川の護岸工事など「水を導く」ジャンルも守備範囲です。
首都高速羽田線
渡波漁港祝田地区護岸工事
たとえば、首都高速羽田線の橋脚更新工事、東日本大震災など巨大地震後の復旧工事、南海トラフ巨大地震に備える高知県での防波堤建設工事。独自の圧入工法を開発する株式会社技研製作所のメンバーシップ企業として、私たちは全国の数多くの現場で地盤に向き合い、安全を叶える施工を行っています。
新潟から東京、世界へ挑戦する
打撃や振動で杭を打ち込む方法と違い、油圧による静荷重で杭を押し込んでいく圧入工法は、振動や騒音、工事時の排土や汚水を発生させないため環境負荷が低い工法です。大掛かりな仮設工事は不要で工程も少ないため、短工期・効率化を叶えられ、また、圧入機はコンパクトなので狭い現場にも対応可能。こうした特徴から、都市部での工事で威力を発揮する工法なのです。私たちは2013年に東京都に営業所を開設して以来、首都圏で数多くの実績を積んできました。北海道から九州まで多くの引き合いをいただいており、今後は、全国展開を視野に新たな拠点設置を進めていく予定です。
シンガポール橋梁基礎工事(2011年)
バングラデシュ橋梁基礎工事(2016年)
また、2011年にはシンガポール、2016年にはバングラデシュで橋梁基礎工事に関わりました。アジアでは鉄道敷設・高速道路建設などインフラ整備が加速しており、日本のODA事業も増加。橋梁を始めとする構造物の基礎施工など、私たちの技術が求められる場面も増えています。培った経験を活かし、これからも積極的に国際貢献を果たしていこうと考えています。
確かな技術と信頼を未来へ
私たちは地盤のすべてを見ることはできません。もちろん表面探査やボーリング調査などを行い、科学的データに基づいて判断しますが、複雑な地層で成り立ち、時には障害物もありうる「地下」は予想のつかないことも多く、実に手ごわい相手です。ですから、私たちは多彩な工法についての知識と経験、さらに重機・機材を備え、その場所に最適の工法を選択し、状況に合わせた施工を行ってきたのです。山地から海岸まで、強固な岩盤から軟弱な土壌まで、日本のあらゆる地盤を相手に経験を積んできました。
建設においては、今、施工精度と安全性の向上に加えて、工事の省人化や短工期化、コストダウンも求められます。背景にあるものは、少子高齢化による人材確保の難しさ、高度成長期に建設された構造物の改修需要の拡大、また、持続可能社会構築のためのSDGsへの取り組みです。私たちは、環境性・安全性・急速性・経済性・文化性という建設の五大原則を実践し、前例や既成概念にとらわれることなく「最適な工事」を提案し、施工できるよう努めていきます。
進取の精神と不断の努力、そしてチームワークで、変化するするまちづくりに対応し、より良い未来の実現のため、私たちはこれからも歩んでいきます。圧入施工のスペシャリストとして。